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「ウェブアクセシビリティ」とは?注目される理由や導入メリット、自社サイトの診断方法をわかりやすく解説!

2025.11.06
基礎知識

「ウェブアクセシビリティ」という言葉は聞くけれど、具体的に何をすればいいのか、なぜ今、これほど重要視されているのか、疑問に感じている方も多いことでしょう。

ウェブアクセシビリティとは、年齢や障がいの有無に関係なく、誰もがウェブサイトを問題なく利用できることを意味します。

この記事では、ウェブアクセシビリティが注目される社会的・ビジネス的な理由から国際的な基準であるWCAGの解説、さらには自社サイトの診断方法や具体的な対応手段まで、ウェブ担当者の方が知っておくべきポイントを分かりやすく解説します。

ウェブアクセシビリティとは? 

ウェブアクセシビリティの考え方は実にシンプルで、ウェブサイト運営の基本となるものです。

まずは、ウェブアクセシビリティが何を意味するのか、その定義と対象について見ていきましょう。

「誰もがウェブサイトを利用できること」

ウェブアクセシビリティとは、一言で言えば「誰もがウェブサイトを利用できること」を意味します。

国際的なウェブ技術の標準化団体である「W3C(World Wide Web Consortium)」や、日本の「JIS X 8341-3(高齢者・障害者等配慮設計指針)」といった公的な基準でも、同様の考え方が示されています。

ここでいう「利用できる」とは、サイトを訪れたユーザーがその人の能力や利用環境に関わらず、コンテンツを「知覚(見える、聞こえる)」「理解(内容がわかる)」「操作(使える)」し、情報にアクセスできる状態を目指す、という考え方です。

特定の技術やデザインの話ではなく、すべての人にとっての情報への公平性を保証する取り組みを意味します。

アクセシビリティの対象はすべてのユーザー

アクセシビリティの対象と聞くと、「障がいのある方」だけをイメージする方も少なくないでしょう。

しかし実際には、高齢者や一時的に困難な状況にある方、特定の環境で利用している方など、すべてのユーザーが含まれます。

例えば、高齢による視力低下で文字が見づらい方、手を骨折したなど一時的な理由でマウス操作ができない方、騒音下で動画の音声が聞き取れない方などが挙げられます。

また、スマートフォンなどの小型デバイスや低速回線を使っている方も対象です。

つまり、誰もが年齢や環境の変化によって直面する「一時的なバリア(障壁)」を解消するための設計と言えます。

「ウェブアクセシビリティ」が重要視されている3つの理由 

ウェブアクセシビリティが今、多くの企業や行政機関で重要視されている背景には、社会的な要請とビジネス上のメリットが関係しています。

ここでは、ウェブアクセシビリティが注目されている主な3つの理由を詳しく見ていきましょう。

①社会的責任と機会平等

ウェブアクセシビリティの根幹には、すべての人が情報にアクセスできる機会を平等に提供するという社会的責任があります。

日本国内では、2016年に施行され、2024年4月からは私企業における「合理的配慮の提供」が義務化された改正障害者差別解消法がその最たる例です。

企業や行政には、障がいや高齢を理由に情報から排除しないための配慮が法的に求められています

CSR(企業の社会的責任)やESG(環境・社会・ガバナンス)といった視点からも、企業が果たすべき重要な役割であり、対応の遅れは社会的な信用を失うリスクにもつながります。

②ビジネス上のメリットと機会損失の防止

ウェブアクセシビリティへの対応は、倫理的な義務だけでなく、ビジネス上のメリットも生み出します。

まず、利用可能なユーザー層が広がることで、これまで情報にアクセスできなかった潜在的な顧客を獲得できます

逆に、アクセシビリティが低いサイトは、これらの層の離脱を招き、機会損失になりかねません

また、誰もが使いやすいサイトは顧客からの信頼を高め、企業のブランドイメージ向上に貢献します。

間接的ではありますが、サイト構造の改善は検索エンジンへの評価にも好影響を与えると考えられています。

アクセシビリティ対応でHTML構造や情報設計が整えられるため、検索エンジンのクローラーがサイトの内容を正確に理解する手助けとなるのです。

③サイトの品質向上とユーザビリティの確保

ウェブアクセシビリティ対応を進める過程で実施する改善は、結果的にサイト全体の品質向上とユーザビリティの確保につながります。

例えば、画像を適切にマークアップしたり正しいHTML構造でコーディングしたりといったアクセシビリティ対策は、サイトの構造を整理し、モバイルフレンドリーやページの読み込み速度の向上にも貢献します。

障がいや高齢の有無に関係なく、すべてのユーザーにとっての使いやすさ(ユーザビリティ)を高められるでしょう。

誰もが快適に使えるサイトは、当然ながらユーザー体験(UX)を向上させ、サイトの価値を底上げします。

ウェブアクセシビリティの具体的な達成基準「WCAG」とは

「WCAG」とは、ウェブアクセシビリティに取り組む際に目指すべきゴールとなる国際的なガイドラインです。

サイトのアクセシビリティを体系的に、かつ確実に向上させるためにも、「WCAG」についての理解を深めましょう。

「WCAG」=世界共通のガイドライン

ウェブアクセシビリティを実現するための技術基準として、国際的に最も広く利用されているのが「Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)」です。

世界共通のガイドラインとして、ウェブ技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)の一部門が策定しました。

WCAGは、1999年に最初のバージョン(WCAG 1.0)が発表されて以来、ウェブ技術の進化に合わせて改訂を重ねています。

現在、国際的な標準として広く使われているのはWCAG 2.1や2.2のバージョンです。

日本国内の公的な規格である「JIS X 8341-3」も、このWCAGと整合性が図られています。

WCAGは、ウェブサイトのコンテンツ作成者が何をすべきかを示しており、これに準拠することで世界中の誰もが利用しやすいウェブサイトを実現できるという、信頼性の高い国際基準となっています。

達成すべき4つの原則

WCAGは、すべてのウェブコンテンツが満たすべき基本的な考え方として、以下の4つの原則を掲げています。

  • 知覚可能 (Perceivable):情報が利用者に知覚できる形で提供されていること(例:画像には内容を説明する代替テキスト(Altテキスト)を付け、目の不自由な方にも情報が伝わるようにする)
  • 操作可能 (Operable):インターフェースやナビゲーションが操作できること(例:マウスが使えない方でもキーボードのTabキーなどですべての機能が操作できるようにする)
  • 理解可能 (Understandable):情報と操作方法が理解できること(例:専門用語を避けたり予測しやすい一貫したデザインを採用したりする)
  • 堅牢性 (Robust):技術の進歩や多様なユーザーエージェント(ブラウザなど)に対応できること(例:新しいデバイスや支援技術を使っても問題なくコンテンツが利用できる、将来にわたっての互換性を確保する)

これらの4原則は、アクセシビリティ対応の土台となるものです。

すべて満たすことで、真にアクセシビリティの高いウェブサイトが完成します。

自社サイトのウェブアクセシビリティ診断方法

ウェブアクセシビリティの重要性は理解できても、「実際にどうやって自社サイトを調べればいいのだろう?」と悩むウェブ担当者の方もいるかもしれません。

診断方法には、手軽に始められるものから専門的なものまで段階があります。

ここでは、自社のリソースや予算に合わせて選べる、3つの主な診断方法をご紹介します。

手動でチェックする

まず、最も手軽に、かつ誰でもすぐに始められるのが手動での簡易チェックです。

専門的な知識がなくても、ユーザーの視点に立って試すだけで、多くの基本的な問題点を発見できます

例えば、マウスを使わずにキーボードのTabキーだけでサイト上のすべてのリンクやボタンを操作できるかを確認してみましょう。

もしTabキーで操作できない部分があれば、それはキーボード操作が必須の方にとって大きなバリアとなります。

また、テキストと背景色のコントラストが十分に確保されているかを目視でチェックしたり、画像に代替テキストが表示されているかを開発者ツールなどで確認したりするだけでも、品質は大きく向上します。

無料の自動診断ツールを活用する

サイトの規模がある程度大きく、手動チェックだけでは限界がある場合は、無料の自動診断ツールを活用しましょう。

例えば、ブラウザの拡張機能として提供されている無料ツールを使えば、人為的な見落としや技術的な記述ミスなどを効率的に検出できます。

これらのツールは、ページのHTML構造やコード内のエラー、色のコントラスト比などを機械的にチェックしてくれるため、短い時間で多くの技術的な問題点を発見できます

まずは無料ツールでサイト全体のエラー率を把握し、そこから改善の優先順位を決めていくと良いでしょう。

Accessdove」では、サイトのアクセシビリティの状態を無料でチェックできます。

サイトのURLを入力するだけで、登録も不要ですので、ぜひ以下のページからお試しください。

無料アクセシビリティチェッカー

有料診断サービスで専門的にチェック

企業の顔となる大規模なサイトや公的な情報を提供する行政サイトなど、高いレベルでのアクセシビリティ保証が必要な場合は、有料の専門診断サービスの利用がおすすめです。

JIS X 8341-3などの公的な基準に基づき、専門の資格を持ったテスターやエンジニアが、サイトの全ページまたは主要ページを網羅的にチェックします

自動ツールでは検出できない文脈上の問題や、スクリーンリーダーでの読み上げの正確性なども詳細に評価されます。

法的なリスクヘッジにもつながる、確実な対応を進められるでしょう。

ウェブアクセシビリティに対応する方法

ウェブアクセシビリティに対応する方法はいくつかありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

自社のリソースや予算、サイトの規模に応じて最適なアプローチを選ぶことが大切です。

ソースコードを直接改修する

最も確実性が高い方法が、サイトのHTML・CSS・JavaScriptなどのソースコードを直接修正することです。

自社の開発チームやウェブ制作会社に依頼し、WCAGやJISの基準を満たすようにコードを作り直します。

この方法は、サイトの構造全体に深く対応できるため、高い品質と長期的な安定性を確保できます

しかし、その反面、専門的な知識を持ったエンジニアが必要となり、多くの時間と高額なコストがかかるのが課題です。

特に大規模サイトや頻繁に更新を行うサイトでは、その都度、改修工数が発生してしまいます。

CMSの標準機能やプラグインを活用する

WordPressのようなCMS(コンテンツ管理システム)を利用している場合は、標準で搭載されているアクセシビリティ機能や専用のプラグインを用いて対応を進められます。

例えば、画像に代替テキストを簡単に入力する項目を使ったり、テーマ自体がアクセシビリティに配慮されたものを選んだりする方法です。

これは、比較的手軽で低コストに始められるメリットがあります。

ただし、プラグインの種類やCMSの標準機能だけでは、サイトの対応範囲に限界がある場合が多く、すべてのアクセシビリティ基準を満たすことは難しい可能性があります。

あくまで補助的な手段と捉え、基本的な部分の改善に留まることを理解しておく必要があります。

アクセシビリティツールを導入する

最も効率的かつ現実的な方法として、外部のアクセシビリティツールを導入することが挙げられます。

サイトのソースコードに手を加えることなく、専門知識がなくても短期間でサイト全体の一括対応が可能になる点が大きなメリットです。

ツールが自動で問題を検出し、必要な支援機能(音声読み上げや文字サイズ変更など)を追加してくれます。

特に、法改正への対応や早期にアクセシビリティを確保したい場合に有効です。

コスト面でも、高額な改修費用と比較して低コストで済むケースが多く、費用対効果に優れています。

Accessdoveなら、タグを一行埋め込むだけで、サイトのアクセシビリティ診断から必要な支援機能の整備、継続的な監視までを一貫して行えます

ウェブ担当者の専門的な作業負担を大幅に軽減できるでしょう。

ウェブアクセシビリティに関するよくある質問

ウェブアクセシビリティへの取り組みを始めようとすると、「どこまでやればいいのか」「本当に効果があるのか」といった疑問も出てくるものです。

ここでは、ウェブアクセシビリティ対応に関する3つの質問にお答えします。

Q1. アクセシビリティ対応はどこまでやれば良い?

ウェブアクセシビリティの国際基準であるWCAGには、達成度が低い順に「A」「AA」「AAA」という3つのレベルが設けられています。

すべての企業や行政が目指すべき水準として推奨されているのが、「AA(ダブルエー)」レベルです。

このレベルは、多くの障がいを持つユーザーがウェブコンテンツにアクセスできるために、必要な基準を網羅しています。

AAAレベルは非常に厳格な基準で対応が難しい項目も多いため、まずはAAレベルの達成を目安として、取り組みを進めるのが現実的でバランスの取れた進め方といえます。

Q2. 直接的なSEO効果はあるの?

ウェブアクセシビリティ対応は、Googleなどの検索エンジンのランキングを直接的に向上させる要因ではありません。

しかし、間接的なメリットは大きいといえます。

アクセシビリティ対応でHTML構造を整えたり、画像に代替テキストを設定したりすることは、検索エンジンのクローラーがサイトの内容を正確に理解する助けになります

また、誰もが使いやすいサイトはユーザー体験(UX)が向上するため、結果的にサイトの滞在時間やエンゲージメントが高まり、間接的にSEOに良い影響を与えるのです。

Q3. デザインを損なう心配はない?

アクセシビリティに配慮すると、「地味で面白みのないデザインになってしまうのではないか」と心配されるかもしれませんが、その心配はありません。

デザイン性とアクセシビリティは十分に両立可能です。

むしろ、適切なコントラスト比や論理的な情報構造、統一感のあるナビゲーションといったアクセシビリティの要件は、結果として情報の伝わりやすい、洗練されたデザインにつながります

重要なのは、ユーザーにとっての「使いやすさ」をデザインの核に据えることです。

まとめ

ウェブアクセシビリティは、障がいや高齢の有無に関わらずすべての人に情報への平等なアクセスを保証する企業の社会的責任(CSR)であり、同時にビジネス上の機会創出につながる重要な取り組みです。

法改正が進む中で、ウェブアクセシビリティ対応は「推奨事項」ではなく「必須の要件」へと変わりつつあります。

早期に対応することで、企業の信頼性向上と競争力を強化できるでしょう。

手軽に、かつ確実に対応を始めたい場合は、タグ1行で導入できる「Accessdove」の30日間無料トライアルを活用し、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。